今さら『進撃の巨人』を読んだので感想です。
読んだきっかけは、進撃で二次創作している某H村さんとお茶して、その時に聞いた話が興味深かったからです。わたしがAI(わたしの好みを分析済)に「進撃の巨人を読んで楽しめると思う?」と聞いたら「序盤~中盤は刺さる可能性が高いけど、終盤は刺さらんかも」みたいなことを言われたという話をしたら、某さんが「私が聞かれてもそう言います!!」と熱弁してたのが面白かったので、気になったという経緯です。その後3日くらいかけて読んだ。
登場人物の名前と顔くらいは知ってたけど、話は全然知らんかった。読んでみて「ほんまに知らんかったな」と思うくらい知らんかった。
一気読みしての全体の印象
最初から最後まで読んで、めちゃ面白かったです。思ってたより、かなり面白かった。終盤までしっかり楽しめたし、最後まで読めたのはこの漫画にそれだけの強さがあるからやんな~と思いました。
伏線の多さと、その回収のしかたにはスタオベ。あれだけ壮大なスケールの物語を、破綻なく(少なくとも大きな違和感なく)畳み切ったのはまじ偉業。どうやって管理してたのか気になった。インタビュー記事とか書籍とかあるなら知りたい。
「知性の上限が低い?」と感じた違和感
ただ、序盤からずっと気になってたのはキャラクターの賢さの描き方(?)。作中の知性の上限が低い!
- 多くのキャラが「実は考えがあった」と後出しで理由づけされる
- 知性担当(エルヴィン・ハンジ・アルミンあたり)は、自省を語ることでかえって「判断ミスをした」印象を与える
- そのため、突出した天才感が出にくい
多分こういう感じになってしまってて、知性担当が賢く見えない。最初は「わざと上限低くしてる?」と思ってたんやけど、途中からは考えても無駄な気がしてやめた。
わたしは知性キャラが好きなので、「アルミンのもっといい(賢い)とこ見せてくれ!」という欲が残りました。
あと「科挙を導入しよう!」とずっと思ってた。高等教育っぽいものがないもんな~あの壁の中!
キャラクターの幅の狭さ
キャラクターの行動原理が葛藤・贖罪・使命みたいなものに収束して、似た方向にまとまってしまってる感じに見えた。
群像劇っぽいのに、みんな同じ種類の苦悩をしている印象があって、キャラの幅が狭いかな~と思った。
でもこのあたりは、諌山先生が(知性キャラを特別好んでおらず)人間の葛藤そのものを描くことに力を入れてるからなんかも。力を入れているというか、好きなんやろな!人間の葛藤や情動が!それはそれでいいと思う。
世界観のスケールアップが圧巻
まあここまではヘキが違ったという話なだけで、世界観の変遷とかはまじ面白かった。
- 壁内サバイバル:巨人=不可知の恐怖
- 国家対立と巨人使役:巨人=兵器
- 終末装置としての巨人:地鳴らし=世界の終焉
「人類 vs 巨人」から始まり、「人類同士の戦い」「世界そのものの滅亡」へと、段階的に拡張していく感じがスムーズやったし、目に見えるスケールアップが気持ちよかった。
この変遷についていけなくて脱落した読者もかなりいたんじゃないかと思ったけど、わたしはそこは作者の自由やと思うし好きでした。
構成のぶれなさ
某H村さんが「長期連載だから作者の価値観が変わって、最初の予定と違うラストになったんじゃないか」と言っていました。
ジャンルの人がそう言うならそうなんだと思うんですが(ジャンルの人は考えてる時間も深さも違うので!)、わたし個人の感想としては、大きな構造としては最初から最後まで一貫していたと感じました。伏線の後付け感も少なくて、最初の仕込みが後半できちんと機能してたと思う。
だから多分某H村さんが言ってたのは、キャラの細かい描写や感情の描き方とかなんかなあと思った。知らんけど(そこまで聞いてないので)。
完結後に読んだ人間としては、違和感がないまま最後まで読めたこと自体が、構成力の強さを証明やと思うし、価値観が変わっててこれならまじですごいなと思った。
エレンの「自由」という矛盾
わたしはわりと自由人なので、途中まで「エレンの気持ちわかるかも?」と思って読んでいました。でもだんだん「いや、種類が違うな」ってなった!
エレンの「自由」は、自由っていうか不自由に対する異常な敏感さじゃない?逆に不自由すぎる。
「不自由だと気づいていなかったくせに、よくあんなに怒れるよな」とわたしは思ったよ!めちゃオモロやんなエレン。何やねんあいつは。
まとめ
「アルミンのもっといい(賢い)とこ見せてくれ!」という欲求は残ったものの、構成力と世界観の一貫性は圧巻。完結後にまとめて読んでも違和感がない、強度の高い物語だと感じました。
あと思ったよりリヴァイ兵長の存在感がなかった!なかったことないけど、思ってたよりなかった!アニメなんかな~。アニメは多分見ないと思います。実写はちょっと見たいので機会があれば見ます。